2019年11月12日

【書評】レダの靴を履いてー塚本邦雄の歌と歩く』@尾崎まゆみ

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大学時代の友人尾崎まゆみさんの歌論集『レダの靴を履いて』(書肆侃々房/1800円+税)が好評のようだ。
副題に「塚本邦雄の歌と歩く」とあるように、師は塚本邦雄である。
塚本の歌と出会ったのは、著者の運命であったろう。難解で独特な感覚をもつ塚本短歌。そのわかりにくいとされる短歌の底にながれる「意味」はもちろんのこと、「音」「色彩」「風合い」、そして「匂い」までも、平易な文章で読み解いていく著者の情熱と力量に敬意を表したい。
来年は塚本邦雄生誕100年。よい記念の書になった。

  ゆきたくて誰もゆけない夏の野の
  ソーダ・ファウンテンにあるレダの靴
          塚本邦雄(『水葬物語』寄港地)
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2019年11月27日

【書評】鹿取未放歌集『かもめ』(再掲)

※別のブログで書評を書いたが、あらためて、掲載したい。
数年前に出版された歌集についての投稿である。


上梓されてすぐに贈っていただいた。

早稲田大学の同級生、歌人の鹿取未放さんの第三歌集を、日々読んでいる。
タイトルは『かもめ』。
チェホフに同名の戯曲があるが、それとは違う、ただの「かもめ」だと彼女は言う。
横浜市に住んでいるので、海を見る機会がわたしよりは多いに違いない。
「海にいるあの『かもめ』よ……」

歌集のタイトルにするくらいだから「かもめ」を詠んだ歌も収録されている。
チェホフのあの『かもめ』を連想させるものもある。

日々数首ずつ、あじわうように読んでいるが、この歌集を手にとった時、ふっと感じた印象がいつまでも残っている。
「ああ、一皮むけたのだわ」

今年は大学の同級生たちの活躍がめざましい。
尾崎まゆみさんの短歌が凝縮された本もいただいた。
今度は鹿取さんである。
その前、歌ではないが、脚本で活躍して、ある賞の大賞を受賞した福田るまさんも同級生だ。
受賞作品が上演されたのを8月某日、鹿取さんと一緒に中目黒のミニシアターまで観にでかけてきた。

皆の活躍を心からうれしく思っている。
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2020年04月15日

【書評】2017年8月27日投稿分 再掲『尾崎まゆみ歌集』現代短歌文庫132@砂子屋書房

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わたしのもう一つのブログから2017年投稿分を再掲する。タイムラグはあるが、ご覧いただきたい。
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早稲田大学の同級生で、歌人の尾崎まゆみさんから歌集を送っていただいた。
もう何冊も歌集を出している、歌壇の重鎮のひとり、と言っていい存在だ。

大学時代から存在感があった。確か卒論は某詩人を選んだと記憶している。
その当時から「言葉」にたいしての感覚は鋭敏であった。
大学卒業後、神戸に住んで、塚本邦雄に師事し才能を開花させていったようだ。

ようだ、というのは、大学卒業後、しばらく交遊が途絶えていたから。
わたしはわたしで小説家を目指しながら、いろいろな方向性を探って、忙しかったからである。

あるころから、年賀状のやりとりが始まった。
彼女とおなじ歌人として活躍している早稲田の同級生鹿取未放さんとは親しく付き合っていたから、
鹿取さんから、尾崎さんの情報を得ていた。
一昨年であったか、東京で短歌関係のシンポジウムがあり、神戸から上京した尾崎さんと久しぶりに一言言葉を交わした。
会えば、大学時代と変わらない雰囲気で、40年あまりの「時」が吹っ飛んでいくようだった。

さて、本題。
今回の作品集は、現代短歌文庫のなかの一冊。素晴らしい活躍である。

本を開く前、最初の一首が何か。気になった。
もし、私が本を編むなら、最初の一首を何にするか。選びに選ぶからだ。

 『微熱海域』のなかの「協和音」の一首

  協和音 息をひそめて迎へたるさつきまつ
  花たちばなの香を

書き言葉と、音と、匂い、が満ちている一首であった。


☆藤沢摩彌子websiteはこちらから
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【書評】再掲2019年11月27日 「原田マハの美術関連小説」

わたしのもう一つのブログから書評を再掲する。ご覧いただきたい。
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キュレーターでもある作家・原田マハさんの小説を続けて読んでいる。
美術館勤めをしていたということもあり、得意中の得意のジャンルにちがいない。
さまざまな画家をとり上げているが、最新刊『美しき愚かものたちのタブロー』も、興味深い。
ご存じのとおり、松方コレクションにまつわる壮大な物語。
一人の画家でなく、コレクションを取り巻く人々が主役だ。
小説を読みながら、松方コレクションのなかのそれぞれ絵を思い浮かべることができる、という面白さもある。

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【書評】再掲2020年3月8日 『狂うひと』梯久美子@新潮社

わたしのもう一つのブログから再掲する。ご覧いただきたい。
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雨の日は読書に限る。
『狂うひと』を読み返している。
重たい内容で、読み進めるのがつらくなるほど。
前に一度読み終えたが、間をおいて、いままた頁を繰っている。
『死の棘』の島尾敏雄の夫人、島尾ミホの評伝。
息苦しい内容だが、引き付けられるものがある。
ゆっくりとよみたい、本である。

posted by mayako at 22:23| 東京 ☀| Comment(0) | 書評、その他感想さまざま | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする