2015年11月06日

女優・加藤治子さんご逝去

女優・加藤治子さんが亡くなった。
11月2日のことという。92歳。

「大女優」という風格の人だったが、むしろ「女優」と書いたほうが似合いそうに思うので、そう記す。
「大」などという大仰な表現をしなくても済む、すてきな「女優」であった。

『ひとりのおんな』という著作がある。(福武書店/1992年刊)
発売当時買って読んだが、一筋縄ではいかない人生を歩まれた。

最初に記憶に残っているのは、名作『なよたけ』を世にあらわした加藤道夫の夫人だったこと。
その後、俳優で演出家だった高橋昌也の夫人になった。(のちに離婚)
名演出家・久世光彦をして、「加藤治子がこの世にいなくなったら、もう生きていたくない・・・」というような表現をさせるほどの女優であった。

訃報には、「お母さん女優」という表記が目立った。
しかし、おだやかな美貌の底に秘めた、とらえどころのない《おんなの情》がほの見える、不思議な魅力をたたえていたひとだった、とわたしは思う。
ひとくくりに「情念」というような、ドロドロしたものではない。
どこかに「清らかさ」をたたえ、しかも「怖い」、《おんなの情》・・・。

こころからご冥福を申し上げます。
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2015年09月09日

森暁雄さんの銀座の店と黒柳徹子さん

9月5日(土)のこと。
宝飾デザイナー森暁雄さんの店の移転リニューアルオープニングパーティが開かれた。銀座である。
森さんのデザインは、日本の伝統美と西洋のクラシカルな美しさを混ぜ合わせたような独特の雰囲気を醸し出している。鼈甲に黒漆あるいは象牙に、さらに沈金、蒔絵を施した豪華かつシックな指輪やブローチなど、素敵な逸品を少しずつ買い求めてきた。ホンモノとレプリカの二種類用意されているものもあって、レプリカなら求めやすい価格のものもある。人まねではないオリジナリティをもった華麗な作品を身につける楽しみは、格別である。

新しい店は、以前の店と比べて奥行きがなく、手狭な感じは否めないが、シャネルの裏という分かりやすさがいい。
17時からのパーティで、5分前に到着すると、すでに来客の山であった。
シャンパンを一杯いただき少しショーケースを覗いたが、混雑緩和のため後日ゆっくりと見せていただくことにした。ぐるりと店内を見回したとき、入り口に近い席に、黒柳徹子さんのお姿があった。
昔の銀座セゾン劇場で20年以上やってこられた海外コメディーシリーズを毎回拝見させていただき、亡くなった人形美術家の川本喜八郎先生のご紹介もあって、何度かお目にかかったことがあるので、ごあいさつをさせていただいた。
黒柳さんは、私が名乗ると
「マリア・カラスをお書きになるとおっしゃっていらしたわね」
とすかさず、おっしゃってくださった。
「覚えていてくださって、ありがとうございます」
わたしは、黒柳さんが演じられたマリア・カラスを主人公にした名舞台「マスター・クラス」にものすごく感動してマリア・カラスの大ファンになり、また、わたし独自の「マリア・カラス」を書きたい、と思い続けてきた。
十数年前にお目にかかったときもその決意を申し上げ、また、お手紙にもしたためさせていただいてきた。
それを覚えていてくださったことが、何よりうれしかったのだ。

マリア・カラスふたたび・・・

近藤乾之助先生が亡くなられて空洞ができていたわたしのこころに、ちょっと灯がともった気がした。

開店祝いのお土産は、森暁雄さんデザインのシンプルなプローチと、黒柳さんのご本だった。
本のタイトルは、『トットちゃんとトットちゃんたち 1997-2014』(2015年5月刊/講談社)。
マリア・カラスと出会わせていただいたお礼の気持ちも込めて、読後感想文を黒柳さんにお送りしようと思っている。

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2015年08月31日

8/30ホテルオークラ東京本館へ

ホテルオークラ東京本館の閉館が迫っている。
8月31日で立替工事のため、営業を終了するという。
30日、行き着けの本館美容室に髪をアップに結い上げてもらいに出かけた。

美容室はほかにも何軒か行き着けの店がある。
自宅のすぐそばにも髪のアップのうまい美容室がある。
カットとトリートメントは、下北沢にある別の店に行く。
ただ、ゆっくり優雅に過ごせる時間がある場合は、ホテルオークラ東京本館の美容室へ行くことが多い。

8月30日は、時間がたっぷりあった。
14時半から国立能楽堂で行われる「能楽座自主公演」を見に行くので、気合も入っている。
まして、ホテルオークラ東京本館が31日で閉館ということなので、ぜったいこの日はオークラへ行こうと決めていた。

ふつうなら、美容室で髪を整えたあと、テラスレストランあたりで優雅なランチタイムとなるのだけれど、
閉館フィーバーで大行列が続いているので、ホテルの中をあちこち歩いて思い出に浸った。
十日ほど前も友人と「平安の間」に絵を見に来たが、そのときよりもずっと名残を惜しむ人の波が増えている。
みな、思いは同じなのだろう。
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2015年07月03日

雨降りやまず・・・

雨が降り続いている。
わが家はいまマンションの大規模修繕終盤に差し掛かっている。
バルコニーの修繕は終り、煉瓦色のセラミックタイルも貼り直してもらった。
庭木ももとの位置に戻された。
化粧直しを施したバルコニーからは、オレンジ色の東京タワーが雨に煙っているのが見える。
美しい都会の夜である。
しかし、足りないものがある。
近藤乾之助先生が、もうこの世におられない。
喪失感は、まだ続いたままである。
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2015年06月29日

「平泉世界遺産の日」シンポジウム

6月は多忙を極めた月であった。
その掉尾を飾る形になったのが、岩手県平泉・中尊寺本堂で6月27日に行われた「平泉世界遺産の日」シンポジウムへのパネリストとしての出演であった。
6月26日現地入りしホテル武蔵坊に前泊、当日27日、雨の中尊寺で、しっとりしたたたずまいのなかでの有意義なシンポジウムに参加した。終了後、テレビ局の取材を受けたが、パネルディスカッションでも取材でも、いつもかわらぬふるさと平泉の世界的文化財への熱い思いを語った。その日の夜は、実家に泊まり、28日帰京した。
自宅へたどり着いてから、今度は夜にかけて鎌倉芸術館へオペラを鑑賞に出かけて一日の終わりとなった。
長い6月だったが、大きな仕事は一応終了である。
「平泉世界遺産の日」シンポジウムのリーフレットを、一ノ関駅で新幹線を待つ間にスマホで撮影したので、アップしたい。背景は愛用のオフホワイトのリモアである。
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2015年06月21日

夜のホタル

長い取材の旅を終えて、深夜に帰宅した。
新幹線で京都まで行き二泊、そこから小倉を経て下関へ。そこで二泊。
帰りは北九州空港から羽田へ飛んだ。
かなり強行軍だったが、実りある旅だった。
行く先ごとに、思いがけない出会いがあった。
昨夜は、下関の山奥の知人宅で過ごした。
隣家のない弧絶した家。
夥しい数のホタルに覆われた闇をはじめて体験した。
怖いような夜のホタルであった。
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2015年06月17日

「マタイ受難曲」@京都

いま、取材のため、京都に来ている。いつも行く割烹があるが、大阪在住の知人と、そこで会食した。
近藤乾之助先生のお能もよくご覧になっていらっしゃる方なので、能のこと、文学のこと、音楽のことなど共通の話題で盛り上がった。
ふとした拍子に、「マタイ受難曲」の話題になった。
私も大好きな曲だが、知人も大変好きだという。

知人と別れ、ホテルへついてから、ユーチューブで、「マタイ受難曲」を聴いた。
「憐れみたまえ、わが神」。
アルトが、沁みるようだった。

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2015年06月01日

6月のカレンダー

日付が変わって6月になった。
一日は近藤乾之助先生の月命日。
そう思いながら国立能楽堂のカレンダーをめくると、6月の舞台写真が近藤乾之助先生がシテを勤められた『鶴亀 曲入』のものであった。国立能楽堂開館30周年記念公演で舞われたのだ。

いきなり先生の写真が出てきて、ドキッとした。

先生が亡くなってから、一ヶ月になる。
四十九日前なので、まだこのあたりにいらっしゃる、と思いながら暮らしている。

何かにつけて先生を思う。
二三日まえ、麻布十番駅へ向かう途中、見事なあじさいが群れ咲いているのを見かけた。
あまりの綺麗さに写真をとった。
あじさいは、先生のお好きな花。
6月の象徴として、写真をアップしたい。
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2015年04月24日

四代目中村鴈治郎襲名披露興行夜の部へ

久しぶりの更新である。
ようやく春めいてきた今日、歌舞伎座公演夜の部を鑑賞してきた。
四代目中村鴈治郎襲名披露興行である。
「がんじろはん」には、なんとなくご縁がある。
二代目、三代目を、ひとりながら贔屓にしてきた。
四代目が誕生したのに、披露興行に行かないわけにはいかなかった。

とはいえ、ばたついている毎日。やっと席を確保。出かけた次第である。
ご存じ、玩辞楼十二曲のうち「河庄」がよかった。
四代目は顔形が三代目に酷似しているが、その芸風もしっかり継承しているようで、安堵。

心浮き立つ一日であった。
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2015年04月02日

春来る

4月になった。春である。
わたしの誕生日もこの月。
まだ先だが、4月に入ると、なんとなくそわそわするのは、いなめない。
一気に花開いた桜もうつくしい。
こころもそぞろに思い立って京都へ桜を見に出かけたこともあった。
もっとも心に残る桜は、円山公園のしだれざくら。
夜の桜は、妖艶であった。
posted by mayako at 23:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする